おうちでできる作文サポート 作文の入り口~書くことを楽しもう~
先日の宿題サポートデイで持ってくる子が多かった
「作文の宿題」
原稿用紙を前に、石のように固まるこどもたち。
こんな光景に出会うことって、こどものそばにある大人にとって珍しいことではないような気がします。
目次
1.作文が嫌いなワケ
なぜ、石のようになってしまうのか。
そこにはいろいろな理由があります。
・何を書いたらいいのかわからない。
・どう思うか分からない。(感想がない)
・思うことはあるけれど、どう書いたらいいのかわからない。
・書いているうちに、何を書いているのか分からなくなってくる。
・書き上げるまでに時間がかかる。
・原稿用紙の使い方がわからない。
・書いたのに直されるのが嫌。
・国語の時間でさえ、ノート一ページすら自分の思ったことを書いたこともないのに、原稿用紙二枚半なんて絶対無理。
私は普段小学生の指導をさせていただいていますが、小学生が作文を嫌いな理由は
「わからない」
「時間がかかる(面倒くさい)」
ことに大別されるように思います。
この理由はごもっともで、実は作文の書き方を学校で習う時間というのはそう多くありません。
国語の学習の中に、物語や説明文の読み取りの際に「自分の考えを書いてみよう」「物語の続きを考えてみよう」といった活動があります。学習指導要領の改訂に伴い、少しずつこのような考えをアウトプットする活動の時間が各教科で増えてきましたが、それでもまだここに多くの時間が割かれることがないように感じます。
つまり、普段の学習で「書く」ことに慣れていないこどもたちが、原稿用紙二枚三枚を書くということは、とても大きな労力が必要なのです。
習ったことのないことをやるって、大人でも難しいことですよね。
2.作文を楽しくするために
作文が書けるようになったり好きになったりするためには、日頃から「書く」という活動が“身近に感じられる”ような取り組みをしてみるといいかもしれません。
例えば...
・毎日の出来事を日記やブログに記す。
・家族で交換ノートをして、その時の出来事や気持ちを書き記す。
・インタビューごっこをして、その記録をする。
・本を読んだ記録を取る。(いつ・題名・あらすじ・その本の感想を一言)
・本の中の好きな部分やせりふをノートに写す。
・好きな物語の続きを考えて書いてみる。
・夢日記。(寝ている時に見た夢の内容を書き起こしてみる)
・好きな歌詞をノートに写す。
・替え歌を作って書き残す。
・おじいちゃんやおばあちゃんに暑中見舞いや年賀状を書き、好きなことや頑張っていることなどを文字で伝える。
・大切な友達に手紙を書く。
・自分に宛てた手紙を書き、切手を貼って自分に送る。
この時、書いたこどもと関わる人たちが大切にしてほしいことは、
①文の量は少なくていい
②その子の書いた文のいいところを見つける(※)
ということです。
3.関わる人が大切にしたいこと
初めから慣れていないことをたくさんやろうとすれば当然疲れてしまい、「もうやーめた!」となってしまいますし、書いたものに対して“訂正”や“指導”が入ると、一気にやる気をなくしてしまうでしょう。
①文の量は少なくていい
お子さんが書いた少ない文の中から、気になるところや意味がよくわからない表現などがあったら、「これをもっと詳しく教えて?」「これはどういう意味?」「どういう色?どういう形?」などいろいろ質問してみると、言葉のグラス(言葉の数や言葉の使い方、同じ言い回しの言葉)が少しずついっぱいになって書く活動に生かされるでしょう。
②その子の書いた文のいいところを見つける(※)
ほめられることは自信につながります。
お子さんの書いたもののいいところを見つけて、よく書けているところをほめたり、感想を伝えたりしてみましょう。交換日記のように「お返事」がもらえるととても喜ぶお子さんもいます。交換日記でなくても、お子さんの書いたものに対して「文字」でお返事や感想を伝えるというのもとてもいい方法です。
※②に関しては、書いたものを見せたがらないお子さんは無理強いせず、書いている姿や書くことを続ける姿勢などをほめたり、「あなたは書くことが好きだね」など書いていることに対する感想を伝えるといいでしょう。
まずは書くということを「楽しい!」と思えることを何より大切にしてほしいなと思います。
こどもたちに作文指導をするときに私が大切にしていることは、
「対話を通して文を作るサポートをする」「楽しく書くことを目標にしてもらう」ということです。
楽しいという気持ちには必ず“その先”があります。
その入り口を親子で、ご家族で見つけるためのヒントになれば幸いです。
4.作文の入り口にぴったりの書籍のご紹介
以下に、作文指導の際、私自身もとても参考にしている書籍をご紹介します。
古い書籍ですが、作文が楽しくなる要素がたくさん詰まっており、作文のネタ帳のような使い方ができるところが素晴らしい本です。
なにより「1行からはじめられる」というところが魅力的。
おうちで「書く」ことを少しずつ取り入れてみたい方は、ぜひ一度お手に取ってみてください。
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